慌ただしく時間が流れ、2023年も2月に突入してしまいました。昨年のイベントの報告になりますが、今思い起こしてもなかなか楽しい体験でした。どうぞお読みください。
2022年のジャパンボウル大会での成績優秀者、22名のアメリカの高校生(一部コロナ渦で来日できなかった卒業生も含まれる)と引率の先生3名の計25名が、外務省が推進する対日理解促進プログラム「KAKEHASHI Project」によって、8月16日から23日まで日本に招聘され滞在しました。コロナの影響で3年、日本訪問は中止されていましたが、久々の再開です。今回は、東京、金沢、白川郷を訪問しました。
入賞した高校生たちが来日した折に、日本の歴史、文化、習慣などに触れる機会を設けるのは、JBSGの最も大切な活動の一つです。今回もそのための場所を探しに苦労しました。で、最終的に和太鼓に触れてもらおうと、浅草の宮本卯之助商店の西浅草店の4階にある太鼓館を選びました。ここは世界の太鼓が展示されているとともに、実際に太鼓をたたくことができます。さらに、今回は2階の展示室に特別にスペースを作っていただき、太鼓の実演体験をさせていただきました。
ちょっと宮本卯之助商店に触れておきます。このお店は、文久元年(1861年)創業で、和太鼓だけではなく、神輿、山車、獅子舞用具などを扱っていて、太鼓も長胴太鼓だけでなく、能、歌舞伎、雅楽用の太鼓や鳴り物までを製造・販売しています。1階に、獅子頭と神輿が展示されていました。
さて、8月21日(日)午後4時が当日です。迎え入れるために、4階と2階に会場の準備をしました。
高校生たちは、バスで会場近くまでやってきて、JBSGの担当者がお出迎え。JICEの人と共に会場に案内しました。
太鼓館の会場にやって来た高校生たち。JBSG代表の杉本昭子(中央)が歓迎のあいさつをします。
22名がいっぺんに太鼓を叩けないので、2つのグループに分けて、最初に2階で太鼓を叩くグループと、最初に4階の世界の太鼓を展示してある太鼓館を見て回るグループに分かれてもらいました。
さて、太鼓を叩くと言えばキリリと巻いた鉢巻きを思い浮かべますよね。まずは、JBSGからのお土産の手拭いで鉢巻きを作って頭にキリリと巻くところから。お店の人に巻き方を習います。
皆、見様見真似で挑戦し、中には膝で抑えて、とにかく絞るように巻いていきます。私達の予想以上に様になっていて、感心しました。
鉢巻きの準備ができたので、次に賀川力哉先生から太鼓の打ち方を習います。太鼓の打ち方の基本から説明を受けます。よくあるかっこいい太鼓の打ち方は「やぐら打ち」ですが、ここでは基礎の「据え置き打ち」をマスターします。
据え置き打ちの基本姿勢は、両手をまっすぐ前に伸ばし、バチが腕の延長線上に来るようにして、バチの先が太鼓の中心に来る位置に立ちます。脚を肩幅よりも大きく開き、足先を逆八の字にし、右足を少し前に置いて軽く腰を落とします。
バチはしっかりと握るのではなく、親指と人差し指で握り、他の3本の指は軽く添えます。手首のスナップを効かせて、バチの先端で太鼓の中心部を打ちます。
やってみると意外に難しい。それでも先生の指導はとても分かりやすく、太鼓体験のだいご味が味わえました。ある程度打てるようになったらグループ分けをして、出だしやリズムを変化させ、最後は全グループの力強い合奏となり、傍らで見ていた私達も体中に響き渡る音の広がりを感じる、中々の演奏に仕上がりました。
心ゆくまで太鼓を叩き、みんな気分はすっきり、大いに盛り上がりました。
その後は、太鼓博物館で世界の太鼓を見て回りました。ここでも、宮本卯之助商店のスタッフの方の丁寧で無駄のない説明があり、皆興味深々。そのあと自由に見て,叩いて楽しみました。
最後はみんなで記念撮影。
この日、高校生達は午前中に滞在先の金沢を発ち、午後3時に東京駅についてすぐに太鼓見学と体験に臨むというスケジュール(午後4時から7時)、旅の終盤、しかも真夏の東京の暑さでかなり疲れているのではないかと危惧しましたが、皆元気溌剌、楽しそうに太鼓に触れている様子に安堵しました。付き添いの先生方も、生徒以上?に張り切って太鼓を打ち鳴らしていらっしゃいました。
こうして宮本卯之助商店の皆様方の親切、かつ的確なご協力のおかげで、充実した3時間を過ごせました。心より感謝申し上げます。
参加したJBSGのメンバーは、終わった後、宮本卯之助商会の方から教えてもらった、近くの天ぷら屋さんで打ち上げをしました。そこへ行く途中の雷門の前でパチリ。お疲れ様でした。