「メンバーブログ」カテゴリーアーカイブ

母校の小学校で講演しました

新型コロナウイルスのために、JBSGもご多分に漏れず思うような活動が出来なくなって久しいのですが、最近あった関連する活動について書いておきます。これ以外にも書かなければならないものがいくつかあるのですが、それはまた機会を見つけて後追いで投稿することにします。まずは最近のことで。

2月25日に、JBSGのメンバー3人が母校の小学校(日本女子大学附属豊明小学校)で講演をする機会がありました。校長先生からリトミックの天野 蝶先生や音楽の一宮道子先生の思い出と、国際交流のことを話してほしいという依頼を受けたのです。一度、打ち合わせのために小学校を3人で尋ねて、講演の趣旨やねらいなどの話を聞きました。対象は4年生から6年生、ただし、講堂で対面で聞くのはこの時期なので5、6年生で、4年生はリモートで聞くということでした。

その後、どんな話にするか3人で構想を練りました。3人は小学校の時は楓組の同級生で、高校まで附属に進み、その間にそれぞれ異なる興味を持つようになり、大学ではそれぞれ別の道を歩むことになりました。それがあるきっかけで、再び合流してJBSGを立ち上げ、国際交流の一翼を担う活動を始めることになったのです。そこで我々3人の小学生時代の思い出、高校卒業後それぞれの人生を歩み、その間に関係した国際交流の話、そして最後に10年ほど前に結成したJBSGの活動を簡単に紹介する内容で纏めました。

講演会の半月ほど後に、講演を聞いた小学生達から、素晴らしい「お礼のお手紙」という表紙の冊子が送られてきました。冊子は各学年のクラスごとにまとめられ、思い思いの装丁がなされ、講演の感想が書かれていました。

8冊のうちの3冊です

当日は、昔と変わらない懐かしいセーラー服姿の小学生達がお行儀よく座り、静かに聞いてくれていましたが、演壇から眺めた範囲でメモを取るような様子は見られませんでした。それなのに感想文は私達が伝えたかった内容をかなり適格に受け取っていることが分かるもので、小学生の集中力に感服しました。さらに『私が最も興味を持ったのはJBSGの活動でした」と書いてくれた生徒さんがとても多くて、びっくりしました。

実は“JBSGの活動”には、小学生はあまり興味を持たないのではないかと思っていました。活動の対象が高校生であることが私達の先入観としてあったからだと思います。ところが感想文の半分以上がこの活動を知りたい、ジャパンボウルではどんな問題が出るのか、もっと知りたかったとか、私も将来ジャパンボウルに関係するような活動をしたい等と書いてくれていました。

そろそろコロナも収束すると見込まれますので、JBSGの活動も再開する予定です。今後の活動方針を議論するうえで、この可愛らしい小学生達の”嬉しい反応“を生かしたいと思っています。

パワーポイントを使った当日の話は、こんなふうなものでした。最初のスライドはこれです。

小学校にはとてもユニークな先生方がおられ、ユニークな授業が行われていました。懐かしい写真!

そんなユニークな教育の下、三人衆の面々は、それぞれ別なことに興味を惹かれ、それぞれの国際交流を続けていったのでした。

〇令子ちゃんの場合 5年生の時の英語は北島メアリー先生(アメリカ人)で、優しいまなざしで英語の歌を身振り手振りをつけて歌う楽しいものでした。そこから英語に興味を持ち、中学生の時はペンパルと文通、高校、大学とずっと英語を勉強し続けました。海外で15年暮らし、友達もたくさんでき、今は、CWAJという団体でボランティアをしています。CWAJはCollege Women’s Association of Japanの略称で、女子大学院生に奨学金を給付したり、外国人留学生に日本の文化や習慣になれる機会を提供したりしています。

〇昭子ちゃんの場合 理科の教育の特色として挙げられているのが、「自然観察、体験を重視した実物教育」で、「実物の観察と体験を大切にした自然教育を特色の一つとしています。授業時間のうち、3~5年生では6割、6年生でも3割の時間を自然観察とそれに関連する学習に充てています。学習も数多く行い、子ども自身で体験をする機会を広げています。」とあります。葉っぱの観察をして、生きた葉と1週間放置した葉の重さを比較して、その差が何であるかを考えさせられました。「水」ということを理解するのに時間がかかりました。でも、水は分子であるということを学んで、目の前が開けました。「物」は分子でできているんだ、それを作ること(合成)が出来るんだということです。それで薬学に進み、研究者の道に入りました。科学の世界では英語で論文を書いたり、研究者と交流したり、まさに国際交流の場そのものでした。

〇恭子ちゃんの場合 好きな授業はお習字でした。先生の書かれたきれいな字が印象に残っていて、言葉の意味にあわせて色々な書体で表現できる筆文字が好きで、大学4年の時から書道を習い始め、今でも続けています。日本にいらした外国の方に日本語でお話しするボランティア活動を25年も続けています。日本には筆で書いた文字を使ったタイトル、広告、看板、星取表、などなど、実に様々なものがあります。この文化を、外国の方に伝えたいといつも思っています。

ひょんなことから、この三人衆が再び50年ぶりに合流して、JBSGというグループを作って、国際交流の活動を一緒に始めることになりました。ひょんな事ってなに?そこにもやはり、日本女子大学が関係しています。附属高校のクラス会でアメリカに行った時に、ジャパンボウルの全米大会を見学したのです。この辺りの詳しいことは、このサイトの別のページに紹介されているので省略しますが、講演ではていねいにお話ししました。また、JBSGの活動も紹介しました。JBSGは、全米JB大会の優勝者が日本に来た時に、日本について知ってもらうために様々なイベントを行ってきました。次のは、その一つである2018年の競技カルタのワークショップの写真です。

この写真の左上のカルタクイーンの女性、豊明小学校の卒業生です!

2020年のジャパンボウル大会の模様と応援メッセージ

今年の応援メッセージを掲載したついでに、昨年の応援メッセージもちょっとご披露いたします。

2020年の全米ジャパンボウル大会は、4月2日―3日に例年通りワシントンDC近郊の、National 4H Conference Center で開催する予定でしたが、コロナ禍の影響で中止となりました。 その代わり、ジャパンボウル大会史上初めてとなるオンラインでの開催になり、”Digital-28th National Japan Bowl “と銘打って、5月29日に行われました。そのことは以下のサイトに詳しく書かれています。また決勝戦の模様もYou Tubeでご覧になれます。

https://note.com/ajstokyo/n/nc94acb8ab515

また、日本でも2020年5月30日のNHKテレビの全国ネットのニュース番組の中で紹介されました。日本でジャパンボウルの知名度を上げたいと、活動を続けている私達にとってはとても嬉しい出来事でした。ジャパンボウル大会関連の部分を抜粋したものを掲載します。

私達JBSGが大会に送った応援メッセージは以下の通りです。

ちょっとおしゃれに装おうと思って、細工を入れましたが、実際には時間の関係で細工部分が削られてしまいました。

第29回ジャパンボウル大会開催のお知らせ

桜の花とともに、今年もジャパンボウル大会の季節がやってきました!

今年は4月8日、9日の二日間ですが、コロナ禍の影響で、昨年に引き続きオンラインでの開催となっています。ワシントンDC日米協会では、決勝戦だけですが、その模様をYou Tubeチャンネルで生放送する予定です。日本時間では4月10日午前7時~10時までです。興味のある方はぜひご覧ください。

29th National Japan Bowl Livestream – YouTube

日本は今、空前のクイズブームですが、大会に臨む全米の高校生達の、真剣で元気溌溂とした様子は、日本のTVでよく見るクイズ番組とはまた一味違っていると思います。どうぞお楽しみに!

29回目を迎えるこの大会が長続きをしている秘訣は、問題の質はもちろんですが、質問の問いかけ方にあると感じます。単なる日本語や日本に関する知識を記憶力で競うのではなく、文化や風土に根ざした総合的な知識を問うものが多いと感じます。そんな問題と設問の妙も味わいながら、ライブを楽しんでいただけるとよいのではないかと思います。

私達は、昨年に続き今年もこんな応援メッセージを作成しました。

また、ジャパンボウル大会に関しては、以下のサイトに詳しく掲載されています。オンライン以前の大会の様子や、問題が分かります。

日本語 – National Japan Bowl®

2019年の全米ジャパンボウル大会

第27回全米ジャパンボウル大会が2019年4月11日-12日に、メリーランド州チェビー・チェイスにある、National 4H-Conference Centerにて開催されました。 主催したワシントンDC日米協会からレポートが出たので、それを基に大会の様子をご紹介します。

今年は全米15州にメキシコからの参加を加え、30高校の64チーム、203名の生徒が参加しました。

プログラムの構成は例年とほぼ同じです。初日の午後2時から受付が始まり、夕食後に開会セレモニーがあり、夜に一次予選、懇親会、二日目は、面接試験、2次予選と続き、昼食の後には書道、和菓子作り、空手、香道、浴衣の着付け、茶道などが体験できるカルチャーワークショップがあります。その後各レベル(II, III, IV)の決勝戦が行われ、夕方4時頃から優秀チームの発表と表彰があり、5時閉会です。

毎年感心するのが、問題の質の高さです。単なる暗記力を競うのではなく、随所に工夫がなされています。http://www.japanbowl.org/resources/ に「生徒と先生のためのガイド」として、過去の問題等が公開されていますので、興味のある方はどうぞご覧になって下さい。。作り手側の頭の柔らかさに毎年驚きます。さて、今年はどんな問題が出たのでしょうか。公開を楽しみにしています。

毎回のパンフレットの表紙も個性的です。手持ちの数冊を並べてみました。

そして今年の結果です。 各レベルの入賞校は以下の通りになりました。

レベルII 

  • 1位 ストイフェサント高校(ニューヨーク州)
  • 2位 クパチーノ高校(カリフォルニア州)
  • 3位 リンブルック高校(カリフォルニア州)  
  • 4位 トーマス・ジェファーソン高校(ヴァージニア州)  
  • 5位 シャコピー高校(ミネソタ州)  

レベルIII

  • 1位 クパチーノ高校(カリフォルニア州)  
  • 2位 ストイフェサント高校(ニューヨーク州)  
  • 3位 タウンゼント・ハリス高校(ニューヨーク州)  
  • 4位 トーマス・ジェファーソン高校(ヴァージニア州)
  • 5位 レイクブラドック セカンダリー校(バージニア州)

レベルIV

  • 1位 ストイフェサント高校(ニューヨーク州)  
  • 2位 トーマス・ジェファーソン高校(ヴァージニア州)  
  • 3位 クパチーノ高校(カリフォルニア州)  
  • 4位 リンブルック高校(カリフォルニア州)  
  • 5位 グレッチェンホワイトニー高校(カリフォルニア州)

今年も外務省が推進する「KAKEHASHI Project」で上位入賞者達が研修旅行のため日本にやってきます。彼らの頑張りが報われるように、今年も精一杯歓迎するつもりです。 (写真は2019National Japan Bowl Reportから)

生まれ変わった「シドモアさんと百年の夢」

ずっと以前のメンバーブログ「サクラとハナミズキの物語(2)」で、JBSGのアドヴァイザーである神尾りささんが、ワシントンDCに桜が植えられるまでの長ーいお話を絵本にした、ということを書きました(2016年5月16日)。今回、その絵本が生まれ変わって2018年9月30日に印刷・発行されたので、そのことを書きたいと思います。

表紙を見ると分かるように、「文 神尾りさ、絵 西由美子」の間に「英訳 Laura Symborski」とあります。挿絵を大きくして絵本としての体裁を整えた上に、英文が加えられ、さらに漢字にはルビがふられているのです。扉に当たる1ページ目を見てみましょう。
ここにある出だしの文章は、以下のように始まっています。
このように、ほとんどの漢字にはルビが振られ、英文が添えられています。英語はとても分かりやすい文になっています。

もう少し長く引用してみます。4ページにある日本語の本文(ルビは省略)とその英訳です。

ときは一九〇九年のこと。アメリカで新しく、二十七代目め
の大統領が誕生しました。ウィリアム・タフト大統領です。奥
さんのヘレン・タフト夫人は、ホワイトハウスがあるワシント
ンDCの街を、美しくすることにしました。
そのことを知ったシドモアさんは、あることを思いつきまし
た。タフト夫人に手紙を書くことにしたのです。日本にある美
しい桜を植えて、ワシントンDCの街をきれいにしてはどうで
しょうと伝えました。
手紙をだしてから、たった二日後のことです。タフト夫人か
ら、シドモアさんに返事がとどきました。

「ワシントンDCに桜の木を植えるというアイディアをあり
がとうございます。ぜひ行いたいと思います。街の中に桜並木
をつくるのはどうかしら。水辺にうつることはないけれど、素
敵な街並になるのではないかと思います。あなたの意見をきかせてください。
一九〇九年四月七日 ヘレン・タフトより」

It was 1909. Mr. William Howard Taft became the 27th
President of the United States of America. His wife,
Helen Taft, decided she wanted to make Washington
DC a beautiful city.

When Miss Scidmore heard about this, she had an idea.
She decided to write a letter to First Lady Mrs. Taft. She
asked Mrs. Taft what she thought about planting Japan’s
lovely cherry blossom trees in Washington DC to make
the city beautiful.

Only two days after Miss Scidmore sent her letter, she
got a reply from Mrs. Taft.

The White House, Washington
April 7, 1909

Thank you very much for your suggestion about
the cherry trees. I have taken the matter up and am
promised the trees, but I thought perhaps it would be
best to make an avenue of them, extending down to the
turn in the road, as the other part is still too rough to do
any planting. Of course, they could not reflect in the
water, but the effect would be very lovely of the long
avenue. Let me know what you think about this.

Sincerely yours,
Helen H. Taft
英文の手紙の内容の方が、少し詳しくなっているようですが、これは実際の手紙を反映していて、日本語の方が少し省略しているのでしょう。いずれにしても、英語の手紙の書き方の参考にもなりますよね。

こうして物語は「サクラとハナミズキの物語(1)から(3)」で書いたように進み、最後のむすびは以下のページのようになっています。
絵本全体をここに載せると長くなりすぎるので、神尾りささんの許可を得て、絵本のPDF版をダウンロードできるようにしておきます。
「シドモアさんと百年夢」神尾りさ 絵本版20180930」

最初に述べたように、この絵本、それほど長くはないので、小学生の国語の副読本、中学生の英語の副読本になるかもしれませんね。漢字にルビが振られているので、日本の子供達に加え、世界中で日本語を勉強している人にも読みやすいと思います。優しいタッチの絵を描いた西由美子さんはJBSGの活動を応援して下さっている協力者の一人です。もしも絵本についてもっと知りたい、絵本を入手したいという方は、下記のお問い合わせ先まで連絡をしてください。

お問い合わせ:神尾りさ(kamiorisadesu@gmail.com)

響き合う物語

8月22日の毎日新聞夕刊の一面トップに、上のような記事が出ていました。掲載されている写真が、11月13日にJBSGが主催して行う映画会「PAPER LANTERNS」のポスターで使っている写真とほぼ同じものだったので、見た瞬間、ドキッとしました。あらら、どこかで「PAPER LANTERNS」の映画会?と一瞬思ったのですが、記事を読んでみると、ちょっと違っていました。

「風が吹くとき」などの監督としてよく知られている日系アメリカ人のジミー・ムラカミ監督は、最後はヒロシマを舞台にした作品を作りたいと、7年前に森重昭さん、写真のオバマ大統領が抱擁している人、を訪ね、広島で被爆したアメリカ兵捕虜のことをいろいろと聞き、映画の構想を練っていました。

風が吹くとき」は、イギリスのレイモンド・ブリッグズの絵本をもとにムラカミ監督が製作したアニメ映画で、1986年に製作され、1987年に日本で公開されました。見た人もいると思いますが、中年の夫婦が原爆投下後も防空壕として作った扉の後ろに逃げ込んだおかげで生き残るのですが、次第に原爆症に侵されて衰弱して死んでいくのを淡々と描いた、それだけに恐怖を感じる映画です。
(「風が吹くとき」デジタルリマスター版:アットエンタテイメント)

自らも被爆者である森さんと、日系二世としてアメリカで強制収容所に送られ、後にアイルランドに渡って「風が吹くとき」を監督したムラカミ監督の、原爆、放射能、戦争に対する共通した気持ちが共鳴した結果なのでしょう。ムラカミ監督は、森さんの仕事に一貫している人間愛を、アニメとして描きたかったのだと思います。

残念ながら、ムラカミ監督は2014年に80歳で鬼籍に入りましたが、その遺志を継いで、日本のプロデューサーが製作することになり、8月27日に広島市役所で記者会見が行われました。記者会見には、プロデューサーの宇田川東樹さん、脚本の冨川元文さん、キャラクターデザインのかわぐちかいじさん、それと森重昭さんが出席しました。被曝75年に当たる2020年の完成を目指しています。製作のためのキックオフ費用をクラウドファンディングで集めるということです。そのページがここにあります(映画製作の経緯、今後のスケジュールなどが詳しく書かれています)。
(画:かわぐちかいじ)

その森重昭さんが半生をかけて行った広島で被爆したアメリカ兵捕虜の調査と、その結果生まれたアメリカの遺族との交流を描いたキュメンタリー映画が「PAPER LANTERNS」です。11月13日の上映が待ち遠しいですよね。どうぞ、お誘い合わせの上、ご参加ください。申し込み込の締め切りは10月31日です。
今回の映画会のもう一つの目玉は、映画上映後に製作者のピーター・グリーリー氏と参加者とのフリートークの時間を設けていることです。森さんの活動の何が、アメリカ人映画監督達の製作意欲を掻き立てたのか、そんなことを知りたくなりますね。

ピーター・グリーリさんの略歴:
1942年米国生まれ。47年に来日、59年まで日本で過ごす。早稲田大で学び、ハーバード大で学士号と修士号を取得。ニューヨーク日本協会や米のテレビ局勤務、コロンビア大ドナルド・キーン日本文化センター所長、日米相互理解と交流を目指す民間非営利団体のボストン日本協会理事長などを経て、現職ボストン日本協会特別顧問。京都国際観光大使。米ボストン市在住。
ドキュメンタリー映画の脚本執筆や製作をおこない、最新作が「PAPER LANTERNS」。ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナルなどの多数の国際的な雑誌や新聞に寄稿するとともに、日本の古典ならびに現代文化イベント製作者として、歌舞伎、能、文楽および多くの映画、ミュージカル、演劇を米国に紹介している。日本語は堪能。

2018年の全米ジャパンボウル大会

2018年全米ジャパンボウル大会の様子と結果

第26回全米ジャパンボウル大会が2018年4月12日-13日に、メリーランド州チェビー・チェイスにある、National 4H-Conference Centerにて開催されました。今年は全米15州とワシントンDCのJapanesePlus及びメキシコの30の高校の67チーム、206名の生徒が参加しました。

クイズ大会の流れは例年どおりで、「メンバーブログ」の ”第24回ジャパンボウル大会“ に詳しく記載してあるので、是非ご覧ください。また、今年も外務省の「KAKEHASHI Project」で多数の入賞者が日本に招聘されることが決定しています。

大会の詳しい報告書がすでにアメリカ日米協会のページに公表されています。上記ページの「About」をクリックして、「Past  3 Years」をクリックすると、PDFファイルで見ることができます。このページから直接、見ることができるようにしておきます。

今年の結果は以下の通りでした。

レベル 2(日本語学習歴2年)

1位  クパチーノ高校(カリフォルニア州)
2位  スチュイヴェサント高校(ニューヨーク州)
3位  タウンゼンド・ハリス高校(ニューヨーク州)
4位  リンブルック高校(カリフォルニア州)
5位  トーマス・ジェファーソン高校(ヴァージニア州)

レベル 3(同3年)

1位  ラングレイ高校(ヴァージニアア州)          2位 スチュイヴェサント高校(ニューヨーク州)
3位  クパチーノ高校(カリフォルニア州)
4位 トーマス・ジェファーソン高校(ヴァージニア州)     5位  リンブルック高校(カリフォルニア州)

レベル 4(同4年)

1位  クパチーノ高校(カリフォルニア州)
2位  リンブルック高校(カリフォルニア州)
3位  スチュイヴェサント高校(ニューヨーク州)          4位  トーマス・ジェファーソン高校(ヴァージニア州)      5位 タウンゼンド・ハリス高校(ニューヨーク州)

各レベルで入賞チームを輩出したリンブルック高校が、素敵な映像を作っています。これを見るとジャパンボウルに懸ける高校生と先生の熱意、努力、チームの絆が見て取れます。また試合に臨む緊張、笑顔の表情などからジャパンボウル大会の様子が良く分かります。是非ご覧ください。

JBSG主催「PAPER LANTERNS」上映会のお知らせ

今日、8月6日は広島の「原爆の日」です。広島市中区の平和記念公園では、原爆投下時刻の8時15分に参列者が黙祷し、広島市長が「平和宣言」を読み上げました。その中で、「昨年、核兵器禁止条約の成立に貢献したICANがノーベル平和賞を受賞し、被爆者の思いが世界に広まりつつあります。その一方で、今世界では自国第一主義が台頭し、核兵器の近代化が進められるなど、各国間に東西冷戦期の緊張関係が再現しかねない状況にあります。」と自国第一主義への懸念を表明されています。

思い返せば2年前の5月27日、伊勢志摩でのG7を終えて広島に入ったオバマ前大統領は、アメリカ大統領として初めて平和記念公園を訪れ、原爆資料館を見学したのち、献花をして演説をしました。その折、日本被団協の坪井直代表と言葉を交わしたあと、一人の被爆者の老人を抱き寄せました。その写真が世界中に配信されましたが、日本では多くの人が、「この人はだれ?」と思ったようです。

この人、森重昭さんも、原爆投下により自らも被曝して九死に一生を得た被爆者です。ただそれ以上に、この場でオバマ前大統領が彼を抱擁したのには理由があります。森さんはその後、当時、12名のアメリカ兵の捕虜が広島にいて、被曝して死亡したことを知ります。しかしこのことはアメリカ側ではほとんど知られていませんでした。森さんは、勤めの傍ら40年かけて一人でコツコツと調査をして、捕虜がどのような経緯で広島に連行されたのかなどを調査し、その遺族を探し出していきさつを伝えていきました。

このことを知ったアメリカ人のバリー・フレシェット監督が、これを題材としたドキュメンタリー映画を作りました。彼の親戚(大叔父)が米兵の一人と友人だったからです。タイトルは「PAPER LANTERN」(灯籠流し)。

今回、JBSGはこの映画の製作者であるピーター・グリーリ氏を招いて、上映会を開催する運びとなりました。JBSGのアドヴァイザーである久野明子氏が、グリーリ氏と知己だからです。

映画会はまだ少し先の11月13日(火)ですが、忘れないように手帳に印をつけて、上のFAX申込用紙を使い、申し込みをしてください。当日、会場でお会いしましょう、お待ちしています。締め切りは10月31日です。

この映画の予告編です(英語版)。画面の再生ボタンをクリックしてください。

次のサイトに、バリー・フレシェット監督によるこの映画のメイキングのビデオクリップがアップされています。
https://vimeo.com/177307252

このサイトには、このほかにも関連するいくつかのビデオクリップがアップされていて、観ることができます。

世界各地に広がりをみせるジャパンボウル大会

こんにちは。ジャパンボウル・ディレクターの神尾りさです。ワシントンDC日米協会は、1992年から、米国ワシントンDCで「全米ジャパンボウル大会」を開催していますが、昨年からジャパンボウル大会はアメリカを飛び出し、世界各地で開催されるようになりました。今回はその展開について、ご紹介させていただきます。

2016年より東芝国際交流基金の支援を得て、欧州各国でジャパンボウル大会が開催されました。2016年11月にはポーランド、翌2017年3月には、セルビア、イタリア、イギリスでジャパンボウル大会が初めて開催されました。また欧州以外でも、2017年2月、メキシコにおいてジャパンボウル大会が開催され、米国以外のジャパンボウル大会出場者数の合計は300名にも及び、ジャパンボウルにとって飛躍の年となりました(下の方に、各国の大会の様子を載せてあります)。

欧州各国のジャパンボウル大会は、全米ジャパンボウル大会をモデルとして開催されています。外国語として日本語を学ぶ高校生または大学生が、2名または3名のチームとなり、日本語能力のみならず、日本の文化、習慣、歴史、地理、時事、対日関係などの幅広い分野について、その知識を競いあいます。私たちは、各国の主催者に対し、問題の提供、開催のためのノウハウなどをアドバイスしながら、ともに準備を重ね、大会当日には実際に現地に赴き、指導も行います。

欧州各地やメキシコのジャパンボウル大会では、全米大会と同様、予選の筆記審査の結果、上位3チームが決勝戦に進み(イギリス大会においては予選のみ行われました)、決勝戦は早押し、個人戦、チーム戦で行われました。出題された問題をいくつかご紹介します。

Q: 節分の日に、鬼に向かって投げるものは何ですか。
A:

Q: これは、清少納言の絵姿です。この人が書いた本で、 996 年ごろに出た本の名前は何ですか。日本語、またはポーランドで答えなさい。
A: Makuranosooshi / Zapiski spod wezglowia

Q: 除夜の鐘は、何回鳴りますか。
A: 108回

ジャパンボウルの目的は、外国語として日本語を学ぶ高校生または大学生に、挑戦的でなおかつ日本語学習を楽しめる機会を与えること、知識を試すのみならず、知識を得る場とすること、日本文化の体験や、日本人と会う機会などを提供すること、卒業後も日本語学習を継続し、日本との個人的関係を持続してもらうことなどです。

多くの学習者にとって、日本語を話したり聞いたりする機会は日本語の授業中に限られますが、そのような学習者が年に一度、各地から集合し、それぞれの知識を最大限に活用して切磋琢磨できるのが、ジャパンボウル大会の魅力です。

2017年11月には京都外国語大学の主催で、日本滞在が5年以内の留学生を対象にしたジャパンボウル大会が開催される予定です。また来年にかけて、新しくフランスやブルガリアなどでの開催も予定されています。

2020年の東京オリンピック開催の年には、全世界のジャパンボウル優勝チームが日本に集い、「知の祭典」を開始することを目指しています。

今後とも、皆様からのご支援、ご協力をお願い申し上げます。

2017年5月30日
神尾りさ
rkamio@jaswdc.org

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ポーランド・ジャパンボウル大会
開催日:2016年11月6日
主催:在ポーランド日本国大使館、ポーランド日本語教師会
会場:在ポーランド日本国日本大使館広報文化センター

メキシコ・ジャパンボウル大会
開催日:2017年2月5日
主催:国際交流基金メキシコ日本文化センター
会場:社団法人日本メキシコ学院

バルカン・ジャパンボウル大会
開催日:2017年3月26日
主催:ベオグラード大学、日本南東欧経済交流協会
会場:ベオグラード大学

イタリア・ジャパンボウル大会
開催日:2017年3月29日
主催:イタリア日本語教師会
会場:Instituto Virgilio, Milano

イギリス・ジャパンボウル大会
開催日:2017年3月31日
主催:ジャパン・ソサエティー (在ロンドン)
会場:マンチェスター大学

メディアによる紹介
2017年3月26日 セルビア現地ローカルニュース (PTC)
2017年4月  1日  時事通信

今年の全米ジャパンボウル大会

2017年全米ジャパンボウル大会の模様と結果

第25回全米ジャパンボウル大会が2017年4月6日-7日に、メリーランド州チェビー・チェイスにある、National 4H-Conference Centerにて開催されました。

4月6日が各レベルの予選で、筆記と面接試験が行われ、各レベルの上位チームが7日の本選に進みます。クイズ大会の流れは例年どおりで、「メンバーブログ」の    ”第24回ジャパンボウル大会“  に詳しく記載してあるので、是非ご覧ください。また、今年も外務省の「KAKEHASHI Project」で20数名の入賞者が日本に招聘されることが決定しているそうです。昨年同様、今年の夏に元気な彼らと日本で会えることを楽しみにしています。

さて、今年の結果です。

レベル 2(日本語学習歴2年)

1位  シルバークリーク高校(カリフォルニア州)
2位  トーマス・ジェファーソン高校(ヴァージニア州)
3位  リンブルック高校(カリフォルニア州)
4位  タウンゼント・ハリス高校(ニューヨーク州)
5位  シャコピー高校(ミネソタ州)

レベル 3(同3年)

1位  リンブルック高校(カリフォルニア州)          2位 トーマス・ジェファーソン高校(ヴァージニア州)     3位  グリッチェン・ウィトニー高校(カリフォルニア州)     4位 ウッドランズ・カレッジパーク高校(テキサス州)     5位  モンゴメリー・ブレア高校(メリーランド州)

レベル 4(同4年)

1位  タウンゼント・ハリス高校(ニューヨーク州)       同率1位  レイクブラドック高校(ヴァージニア州)       3位  イースト・ビュー高校(ミネソタ州)          4位  スティーブンソン高校(カリフォルニア州)       5位 ノースサイド・カレッジ・プレップスクール(イリノイ)